年間行事

例大祭 「那智の扇祭り」

熊野那智大社の例大祭で毎年七月十四日の昼間に行われます。
この那智の御山の信仰は、神武天皇御東征(約二千七百年程前)の折にこの御瀧を大己貴命(大国主命)の御霊代として祀ったことに始まります。一千七百年程前の仁徳天皇五年に、瀧本から那智山中腹に社殿を遷し祀ったのが熊野那智大社の起源で全国四千有余社の熊野神社の総本社でもあります。
山上の御本社より十二体の扇神輿に神霊を遷して渡御をなし、御瀧信仰の根本たる水の神意を発揚する神事が「那智の扇祭り」です。
御瀧の参道を大松明の炎で浄める様の勇壮さから「那智の火祭り」とも称されます。
我々の生活の根元たる水と火の尊さ、大自然の恵みに対する感謝、即ち神々への感謝の一端を伺える神事であります。

那智の扇祭り式次第

御本社大前の儀

10:00 熊野那智大社

御本社大前の儀

各社殿に神饌を供え国家・皇室・国民の安泰と弥栄を祈念する

大和舞

11:00 熊野那智大社/特設舞台

大和舞

「大和舞」と総称されている舞には「斎主舞」「巫女舞」「沙庭舞」の三曲あり、小学生の男子・女子児童にて奉納される

那智田楽(ユネスコ無形文化遺産)

11:30 熊野那智大社/特設舞台

那智田楽(ユネスコ無形文化遺産)

那智の田楽は室町時代から伝えられた古式そのままに演ぜられ、所作も服装も楽器も伝統を良く守り、地元那智山の人々により演ぜられる

御田植式

12:15 熊野那智大社

御田植式

木製牛頭・カイガ・エブリ(古の農耕具)を持って、笛・太鼓にあわせ、田植の歌を歌いながら舞台をめぐる

扇神輿渡御祭

13:00 熊野那智大社

扇神輿渡御祭

扇御輿十二体に神々をお遷しし、別宮飛瀧神社にお渡りいただく

伏拝扇立神事

13:30 伏拝み

伏拝扇立神事

伏拝にて第一扇より第十二扇までを開く様に順次立て起こし飾る

御火行事

14:00 飛瀧神社・那智御瀧

御火行事

「那智の火祭」と呼ばれる所以となる行事

扇神輿を、御瀧本より十二体の大松明が迎え清める神事である

扇褒神事

14:17 飛瀧神社・那智御瀧

扇褒神事

カラス帽を冠った神職が結びの大松にかざした打松を古伝の秘事に準じた所作を行い、神輿の神鏡を打つ神事

御瀧本大前の儀

14:20 飛瀧神社・那智御瀧

御瀧本大前の儀

十二体の大松明により清められ、扇褒めの神事を受けた十二体の扇御輿が斎場に奉安され神饌を供し神事を斎行する

御田刈式・那瀑舞

14:50 飛瀧神社・那智御瀧

御田刈式・那瀑舞

御田刈式:鎌を持って、笛、太鼓に合わせ、田刈の歌を歌いながら巡る
那瀑舞:御瀧に向かって並列し、日の丸の扇を持って、笛に合わせて御瀧御幸の歌を歌いながら舞う

扇神輿還御祭

15:30 熊野那智大社

扇神輿還御祭

御瀧本大前の儀を了え、御本社に還御した扇神輿は再び拝殿の前に飾り立てられ、宮司以下神輿を拝し、祭事を斎行し神霊の還御を奉仕する

扇神輿

扇神輿

高さ一丈八尺三寸 (約6m)、三尺(約1m)程で、白銅鏡、光、蝶の髭、檜扇の花等で飾り付けられその形象は「飛瀧(那智御瀧)を表す」とされています。
扇は古来「ひおうぎ」と申し、神霊を招くものとして崇められています。

大松明

大松明

高さ一丈八尺三寸 (約6m)、三尺(約1m)程で、 大松は1番から12番まであり第一大松が1番重く約50㎏、第十二大松が約25㎏程あります。
直径1尺4寸(44㎝)、高さ4尺(1m34㎝)程で神様が通る道をその火で清める役割があります。

当日の交通案内

例祭「那智の扇祭り」について、交通案内、祭典は下記のようになっておりますので、
ご参考になさってください。

お車でお越しの方

那智山域の有料駐車場が満車になった時点で(例年10:30ごろ)那智山中腹にある臨時駐車場(大門坂駐車場他)に駐車後、熊野御坊南海バスのシャトルバス(無料)での移動となります。
那智山域が満車の場合、那智山へ向かう県道において「那智山満車」の啓発看板を提示しております。その際は臨時駐車場へお進み下さい。臨時駐車場域では案内係がおりますので、指示に従って頂きます様お願い致します。
なお、那智山駐車場及び臨時駐車場にも限りがございます。出来るだけ公共交通機関を御利用頂きますよう、お願い致します。

定期バスでお越しの方

熊野御坊南海バスの定期バスは通常通りの時刻で運行しております。

> 熊野御坊南海バス時刻表

当日の乗降位置は「那智山」バス停のみとなります。

タクシーでお越しの方

熊野御坊南海バス「那智の滝前」バス停付近での降車が可能です。
「那智の扇祭り」は熊野那智大社の例祭で、国指定重要無形民俗文化財に指定されました。